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横浜市福祉サービス第三者評価結果

■介護老人保健施設 前回の評価結果を見る
横浜あおばの里
評価年度 20年度
結果公表 2009年3月20日 (評価に要した期間 3.5 か月)
評価機関 ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部

総括表 分類別結果 家族アンケート 本人調査 事業者コメント
評価方法
自己評価
(実施期間)

2008年12月10日〜2009年 1月30日
全評価項目に担当者を決め、前回受審時の結果と比較しながら現状の課題を抽出し、施設全体を総合的に評価・確認して取りまとめた。
評価調査員による評価
(実施日)

第1日目:2009年 2月20日、第2日目:2009年 2月27日
2名の調査員が2日間事業所を訪問し、1日目に、サービスの実施状況、掲示・展示物と施設内外の環境を観察し、2日目は、書類を確認するとともに、事務長、介護・看護部長と2名の職員へのヒアリングを実施した。
利用者家族アンケート
(実施期間)

2009年 1月 20日〜2009年 2月 5日
利用者153名中、家族・保護者がいる146名を対象とし、事前に評価機関が準備した「利用者家族アンケート」用紙を事業者から各家庭に送付して、回答を無記名で直接評価機関宛に返送してもらった。
利用者本人調査
(実施日)

2009年 2月20日
定員172名中、予め事業者側が人選した10名(男性4、女性6名 平均年齢70.2歳)に対し、2名の調査員がそれぞれ1対1の個別面談で、15項目の設問と施設への要望事項について、1人約30分の聞き取りを行った。

総評(評価結果についての講評)
【施設の特色】
・医療法人社団「協友会」が運営する「横浜あおばの里」は、平成16年3月に開設以来、平成19年4月に22名分を増床した定員総数172名の施設であり、田園都市線の市が尾駅からバス10分の南西に山並みを一望にする樹木に囲まれた小高い丘に位置している。

・理念を「利用者の意思、人格を尊重し、その立場に立ったサービスの提供」とし、開設2年後に第三者評価調査を受審した。今回は2回目の受審であり、「サービス向上委員会」、「広く施設を考える会」など10種を超える委員会を開催して、施設全体で計画的にサービスの質の向上に取り組んでいる。

・中長期計画には「特徴ある施設・選ばれる施設」を掲げている。 20年度の計画では「在宅復帰率の向上」を目標に、利用者が自宅で活用できる写真入りの「訪問指導報告書」を作成し、日常のリハビリでも階段の昇降訓練を入れるなど、退所後の生活にも積極的に取組んでいる。

・利用者の居室は、すべてが外窓に面しており、食堂や広い機能訓練室などの共有スペースも中庭の吹き抜けからの採光で明るい。 建屋の内部は段差のない床、トイレや廊下、浴室への手すりの設置など、全館にバリアフリー構造が徹底している。

・機能訓練室には、パワーリハビリ用に6種類の機器があり、利用者の機能訓練に積極的に活用している。また、増築時に、利用者の気分転換やくつろぎに加え、地域住民も利用できる露天風呂を2階に、足湯を中庭に設置したのも特徴の一つである。
・年間の4大行事である「美術展、納涼祭、バザーやクリスマス会」の他、ボランティアが指導する音楽リハビリや、利用者と職員が一緒に作るおやつレクなど、多彩なクラブ活動があり、利用者に喜ばれている。


【特に優れていると思われる点】

1.関係者の「声」を聴く積極的な姿勢 
施設全体に関係者の声に耳を傾ける仕組みがある。

・毎日の食事時、管理栄養士と調理師が巡回して利用者の声を聴き、納涼祭、クリスマス会などの行事では、「アンケート」を取って、利用者の満足度調査を行っている。掲示板には「食事満足度」調査の結果を「好きなおかず、食べたい料理のランキング」を、グラフで貼り出してある。

・家族の意向や要望は、来訪時のほか行事後の「アンケート」「家族懇談会」や面会者カード「ご家族など皆様からのちょっと一言」を活用して聞き出している。

・職員には、年間目標である「チャレンジカード」作成の折、部門長が面接して業務上の問題点や満足度を確認しているほか、法人本部が実施する無記名の「職員意識調査」や、施設が常勤・非常勤職員を対象に年1回行っている「職員意向調査」がある。また、各部署には、「施設をよくしようBOX」が、会議室には「提案箱」があり、意識調査の集計・分析結果を職員に返却し、面接で話し合い研修計画などに反映している。

・外部の声は、町内会会長他、老人会会長、民生委員、主任児童委員や保健活動推進委員が参加する「施設運営委員会」で聴取している。また、施設行事では地域の人からもアンケートを取り、ボランティアには「ボランティアを体験しての感想」に書いてもらっている。これらを「サービス向上委員会」、「広く施設を考える会」に吸い上げて、検討する仕組みができている。

2.施設一体となった改善活動への取り組み
業務改善活動が組織的に行われている。

・中長期計画から個人目標まで一貫した流れ中長期計画には、「特色ある施設・選ばれる施設を目指す」と、目標をわかりやすく定めている。平成20年度の計画では、現状分析で施設の課題、強み・弱みを確認して年度目標を定め、稼働率、在宅復帰率などにはそれぞれ数値目標を挙げて達成度の測定を可能にしている。年度計画は、四半期ごとの実行計画と各部署、委員会の年度目標に受け継ぎ、さらに各フロアと、個人別の目標(チャレンジカード)に展開している。

・計画の実行・改善へ有機的な組織構成
意思決定機関である施設長・事務長・介護看護部長が参加する幹部会、各部署のチーフで構成する運営会議に加えて、それぞれの課題解決と改善をテーマとする「安全対策・身体拘束廃止委員会」や「介護・看護部教育委員会」、また、在宅復帰、自立支援など広く横断的な課題を対象とした「広く施設を考える会」「サービス向上委員会」などの専門部会を設置して組織的に活動している。

・外部から見える活動
職員は全員「利用者様第一主義」と書かれた大きい丸ワッペンを胸に着けている。各部署の年度目標は、各フロアの共有スペースに掲示して、利用者へもアピールしている。品質管理手法であるワークアウトを使ってテーマを設定(平成19年度は「認知症棟のユニット化」、20年度は「人材確保」)して、担当職員が、具体的な活動の成果を法人全体の会合で発表している。「FOR(ために)という発想からWITH(一緒に)という発想へ」という親しみやすいキャッチフレーズも用意している。

・第三者評価の活用
2回目の受審を前に、全評価63項目を項目ごとに担当者を決め、前回の評価結果を再確認した上で現状の課題を洗い出し、施設の総意として自己評価票をまとめている。
前回の評価結果は、課題であった「認知症棟居室のキャビネット設置と、日用品による生活感の演出、利用者がちょっと休める造り付けベンチの設置」のように、大きい投資を伴う改善にまで活かしている。

3.在宅復帰へ向けて各部署での積極的な取り組み
在宅復帰後に施設を転々としないように具体的な視点で取り組んでいる。

・退所後の生活についての具体的なアドバイス
復帰する家庭の状況を調査・分析して本人・家族と面談し、希望に沿えるように種々の資料を活用してアドバイスを行っている。退所前に介護、看護、リハビリ職員が家庭を訪問して作成した写真入りの「訪問指導報告書」、入所中の生活状況を記録した「生活動作状況表」「在宅療養のアドバイス」は、ケアマネジャー、リハビリ担当者、介護、看護担当者と多職種が関わって作成した。

・復帰に向けてのリハビリや自立支援
6種類の筋力訓練の器械を使って行うパワーリハビリには、本人、家族の希望も取り入れた個人メニュー「リハビリ実施計画書」を使い、理学療法士が指導している。家庭での階段を想定した昇降階段訓練を、利用者の状況に合わせて行っている。スタッフ紹介の掲示に「歌って元気になりましょう」と手書きのコメントを書き込んで利用者を励ましている。日常生活の支援では、服薬や金銭の自己管理を見守り、おやつレクで一緒に調理するなど在宅復帰後の生活を考えた介護を意識して行っている。

・退所後の生活は、ケアマネジャーが電話で確認するアフターケアも行っている。



【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.受付(来訪者対応)をもう一歩前面に

・玄関を入ると、左側の事務室内に受付カウンターがあるが、職員のデスクはカウンターから離れた位置にあるため、室内からは、玄関に出入りする人の様子が把握しづらいように思われる。また、事務室職員の「業務部業務分掌」には、外来者への受付対応業務が記載されていない。

・カウンターに事務机を設けて、担当部署の職員が来訪者に直ちに応接できる体制が望ましい。ペンダントライトをカウンター上部に設置するなど、応接する担当者を明確化することも考えられる。

・施設内で行き交う職員は、全員が明るく挨拶しており、来訪者対応カウンターにもワークアウトの応用編が期待される。

2.家族だけで、くつろげるスペースの確保

・利用者の家族や訪問客は、居室以外は植栽で仕切った各階の共有スペースや、また1階玄関ホールの談話コーナーを利用しているが、居室には椅子がなくベッドに腰掛けることになる。居室を家族がくつろげるスペースとして利用できるように椅子を置くことが期待される。

・1階の談話コーナーは、玄関正面にあり出入りする人の視線が避けられない。家族水入らずで、あるいは親しい人同士だけの時間を持てるよう、視線を気にせず落ち着ける仕切りの設置が望まれる。

3.基準書・マニュアル類の整理

・閲覧したファイルのタイトルに類似表現が見受けられる。タイトルが「介護・看護手順」「業務基準・症状別看護」「看護・介護業務マニュアル」「看護・介護基準・手順」などのファイルがあり、また「職務別業務掌」のファイルの中に「介護の役割・業務」や「介護士の業務」「介護福祉士の業務」などの資料もある。資料ができた経緯、背景はあるとしても、タイトルは内容を表すものとであり、タイトル別に整理・統一することが望まれる。


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